看護師を辞めたいというのは看護師なら誰しもが一度は考えることではないでしょうか。
夢にまでみた看護師になったものの仕事のキツさと責任の重さに疲れ切ってしまい、思っていたのと違う…なんてことも。
ただ辞めたいと思ってすぐに辞めてしまうのでは後から後悔することになります。
辞めた方がいい場合と辞めない方がいい場合はどのように判断したら良いのでしょうか?
そのポイントをご紹介します!
辞めたいのはこんな理由

まずはなぜ辞めたいのかその理由を考えてみましょう。理由を明確にすることで本当に自分は看護師を辞めたいのかを知り、次の転職の際に自分が何を重要視して働きたいのかがわかります。
仕事がきつい、つらい
看護師は3K(きつい、汚い、危険)と昔から言われているほど大変な仕事です。命を預かる仕事なのでミスが許されず、プレッシャーから精神的に辛くなってしまうことも。
これだけ頑張っていても患者さんからのクレームや先輩からのお叱りを受けると、辞めてしまおうかと思っても仕方ないかもしれません。
人間関係が嫌
看護師特有の女社会。やはりどうしても陰口などを言う人もいれば直接きつい言葉を投げかけてくる人も中には存在します。
スタッフ同士はもちろん、医師出会ったりコメディカルスタッフとも関係が良好でないと連携が取りづらく仕事にも影響が出てしまいますが、人数が多ければ多いほど関係作りは難しいものがあります。
ハラスメントがある
上司から理不尽なことで怒られるのは日常茶飯事…な人はいませんか?
他にも、自分の意見を否定されたり残業ばかり強いられる、手当や残業代が出ないなどといった行為はハラスメントにあたります。
看護師の世界ではこれが当たり前、と思っていることでも実はハラスメントだったと言うこともたくさんあります。
給与が安い
残業に夜勤、休日出勤をしていてもなかなかお給料が上がらないと言う職場も。
せっかく患者さんのために自分を犠牲にして働いていてもお給料に反映されないのであればモチベーションも上がりませんね。
入職時に給与面はしっかり確認しておかないと、後から後悔する羽目になります。
結婚や出産で仕事を続けるのが大変
結婚や出産はライフステージの中でも生活環境が大きく変わる一大イベントです。
独身の時はこなせていた仕事でも、結婚で家での役割が増えたことで仕事に対する負担が大きく感じたり、出産後は子ども中心の生活となるため保育園行事や突然の子の体調不良でお休みをもらう必要が増えます。
以前と同じように仕事が続けられなくなる人も少なくありません。
辞めた方がいいパターン
身体的、精神的な支障が出ている
体調を崩してしまったりうつ状態などがすでに現れている場合は一刻も早く退職を考えましょう。
看護師は体が資本。
あなたの代わりはいても、あなた自身は一人しかいません。
自分を大切にすることが何よりも大切です。
職場環境が良くない
パワハラが横行していたり人間関係がギスギスしていると毎日仕事に行くのも辛くなります。
毎日先輩や同僚の顔色をうかがいながら仕事するなんて嫌ですよね。
異動などで職場環境の改善が見込まれる場合もありますが小規模の病院や介護施設、クリニックなどでは異動がない職場もあるので改善は期待できません。

私も上司のパワハラがひどくメンタルが弱ってしまい、退職せざるを得なくなった経験があります。
思い切って雰囲気の良い職場へ転職してしまいましょう。
いつまでも給与が上がらない
何年経っても昇給したり手当が上がらない職場はいつまでも給与アップが見込めません。
早めに見切りをつけて、自分の条件に合った給与の職場を探してみましょう。
この業界は職場によって基本給や手当は大きく異なることもしばしば。同じ仕事をしていてもこんなに違うのか!と思うはずですよ。
チャレンジしたい事がある
もっと専門性の高いことにチャレンジしたい、自分にできることの幅を広げたいといった明確な理由があり今の職場ではそれができない場合は辞めた方が良いと考えます。
✔︎ 別の資格を取得したい
✔︎看護師ではなく違う職種で活躍したい
✔︎助産師や保健師として働きたい
看護師でない別の仕事にチャレンジしてみたいということであればなおさら今の職場を退職する必要があります。
自分のしたいことを見極めて新しい職場を見つけてみましょう。
辞めない方がいいパターン
なかなか仕事が覚えられない
なかなか仕事が覚えられないと周りに申し訳ないし仕事も楽しくないので嫌になってきますよね。
ただそれで辞めてしまうのはもったいないです。
とにかく経験を積むことでだんだん仕事を覚えて要領がつかめるようになってくるもの。
よほど苦手な仕事であったりキャパオーバーになってしまうのであれば仕方ありませんが、入職して数ヶ月〜半年ほどなのであればまだ時期尚早かもしれません。
要領を掴めてくれば、嫌だった仕事もだんだん楽しくなってきますよ。
看護師に向いていないと思い込む
インシデントを起こしてしまったり先輩に怒られてばかりだと、「自分は看護師に向いていない」と思ったことは誰しもが思ったことがあるのではないでしょうか。
人の命を預かっているのでミスは許されない仕事ですが、ミスをしない人間はいません。
むしろ看護師に向いていないと落ち込むのは自分の起こしたミスにしっかりと向き合っているということ。
しっかり反省して同じことを繰り返さないようしっかり自分の知識や技術を磨いて、もう一踏ん張りしてみるのも良いかもしれません。

ただ、自分の限界を感じたり心身に影響が出ているのであれば早めに異動や退職を考慮しましょう。
看護師は続けたいけど病院やクリニックは合わないという場合に、デイサービスなどの医療行為が少ない施設へ転職するという方法もあります。
ばく然とした理由で辞めたいと思っている
一時的な感情であったり不満はないけどなんとなく辞めたいという場合は、辞めた後をどうするか明確にしておかなければ転職しても同じように辞めたくなくなってしまうかもしれません。
曖昧な理由で短期間の退職や転職を繰り返すと、転職活動に影響を及ぼす場合も…
その場合はリフレッシュしてみたり少し働き方を変えてみることで「なんとなく辞めたい」という気持ちが解消されるかもしれませんよ。
辞めたあとはどうする?
今の職場を辞めたあとはどうするのか、みなさん看護師を辞めたいと言いつつも大抵は同じ看護師として働く方が意外と多いんです。
環境を変えることによって看護師を続けようと考え直すきっかけになる場合も。
ただ、中には看護に関係のない一般職に就いてみたり新たに資格をとるため進学するという道もあります。
・病院やクリニックへ転職 ・パート、派遣ナース ・保育園看護師 ・保健師
・助産師 ・企業看護師 ・認定看護師や専門看護師の資格取得 ・看護学校の先生
・一般職(事務職や接客業など)への転職 ・フリーランス ・主婦 など
資格さえあればいつでも復帰は可能です。ブランクが気になる人へ向けた支援も病院や看護協会で開催されているので戻る時の心配は少なく済みます。
一旦看護職を離れて新しいことにチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。
みんなの転職回数は?
看護師の転職回数は多いというイメージですが、実際はどうなのでしょうか。
厚生労働省が調べた「看護職員就業状況等実態調査結果」では0〜1回といった割合が多く、7割近くが転職をほとんどせずにいるという結果に。

看護師の転職は少ないという意外な結果となりました。
退職した回数 | 回答数(人) | 割合(%) |
0回 | 7,861 | 45.2 |
1回 | 4,174 | 24.0 |
2回 | 2,463 | 14.1 |
3回 | 1,382 | 7.9 |
4回 | 639 | 3.7 |
5回 | 597 | 3.4 |
5回以上 | 278 | 1.6 |
もちろん何度も転職している人もいますし、以前の職場を退職した理由が正当なものであれば必ずしも転職に不利になるわけでもないので、転職が良くないということはありませんよ。
まとめ
看護師は信頼が厚い職業である分、様々な負担を強いられます。
看護師を辞めたいと思うのは頑張りすぎて疲れている証拠。たとえ看護師を辞めたいと思っても決して甘えではありません。
ただ看護師も色々な働き方があり自分のペースで自分なりの看護ができる職場もあります。
自分は本当に看護師を辞めたいのか、違う環境でもう少し看護師として頑張りたいのかを慎重に見極めて良いライフスタイルを見つけられるといいですね。
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