産院選びって難しい・・産婦人科ナースが教える後悔しない産院選びのポイント

人生の一大イベントである出産。なるべく自分に合った産院で出産したいですよね。

でも下調べをせずに選んでしまうと、自分が思い描いていた出産とは違ったということになりかねません。

せっかくなら「ここで産んでよかった」と思える産院を選びたいママは多いはず。

ではどのように産院を選べば良いのか、後悔しないポイントをご紹介します。

産院は大きく分けて３つの選択肢がある

産婦人科のある病院

病院はクリニックや助産院と比べ圧倒的に設備やスタッフの人数が充実しています。

緊急時でも対応できる強みがあるので、ハイリスクの妊婦さんや少しでも出産時のリスクを減らしたい方は病院での出産がおすすめです。

デメリットは外来の待ち時間が比較的長かったり食事が病院食であり豪華な食事は期待できない、クリニックのようにホテル並みのサービスが受けられないといったことが挙げられます。

クリニック

なんといってもクリニックの強みはサービスが充実していること。

豪華な食事やエステなど産後のお母さんにとっては魅力的なサービスが多く、サービスの種類や充実度でクリニックの比較をしている人も多いでしょう。

サービスを重視したい場合や、通院のしやすさを考えた場合はクリニックをオススメします。

病院や助産院と比べクリニックの方が数が多く敷居も低いため、クリニックの方が通いやすいかもしれませんね。

クリニックごとに特色があり、ホテルのようなサービスを受けられるところもあればアットホームな感じで入院できる昔ながらのクリニックなど様々です。

ただ、クリニックは病院と比べて設備やスタッフに限界があるので出産時に緊急性の高いトラブルが起きた場合は高次病院に運ばれることになります。

なるべくリスクを減らすため、クリニックの方針によっては持病があったり妊娠中に母子に異常が見られた場合は分娩を断られるケースも。

クリニックによっても受け入れの基準が違うので、もし元々の持病があったり妊娠経過に不安がある場合は通院しているクリニックの医師に相談してみましょう。

助産院

助産院での出産は主に助産師のみがお産の介助につくスタイルです。

医師はお産に携わらないので、なるべく自然に近いお産がしたい人に向いています。

助産師が主体となって妊娠から産後までをサポートしてくれるので、病院やクリニックよりサポート体制が整っており親身になって寄り添ってくれます。

医療機関のように無機質な感じがなく家にいるかのようなリラックスした環境でお産に臨めるので、助産院でしか味わえない満足感・達成感があります。

全力でおっぱいを探す赤ちゃんにへその緒がついたままおっぱいをあげ、ふにゃふにゃした赤ちゃんを抱きながらのカンガルーケア。感動している間に、出産後のいろいろをテキパキと進めていく助産師さんのプロフェッショナルさと言ったら！３人の助産師さんに囲まれて、しっとりと胎内のような光を落とした部屋でのお産はとてもリラックスできて神秘的でした。

引用元：たまひよ　【妊娠出産体験談】助産院ってどんなところ？助産院出産記

リラックスして和やかな雰囲気で出産したい人にはぴったりですね。

助産院での出産のデメリットは、助産師は医療行為が行えないため母子が危険な状態であると判断された場合は提携病院あるいは近隣の病院へ運ばれる可能性があるということです。

いつ病院へ運ぶ判断をするかは助産師の判断力に委ねられます。

出産中の急変は命取りであり、一瞬の判断の遅れが命取りになってしまうこともあります。

少しでもリスクを避けたい人はよく考えて出産場所を決めましょう。

基本的に助産院は持病があったりリスクのある妊婦さんの受け入れはできません。

クリニックよりも受け入れ条件が厳しいので、助産院で出産したい場合は助産院や提携している病院の医師とよく話合うことが大切です。

産院選びのポイントは？

では実際に分娩施設を選ぶ時は何に気をつけたらいいのか？

それは、自分自身がどこを重視するのか・譲れない条件は何かです。

先ほど分娩施設をおおまかに３つに分類しましたが、その中でも施設ごとに微妙に特徴は変わってきます。

出産直後から母児同室が始まる産院や母乳推進の産院、無痛分娩ができる産院や自然派の産院など様々です。

その中で自分がここは譲れない！ここはこだわりたいなどのポイントをいくつか絞っておきましょう。

出産方法

出産は自然分娩が主流ですが、今は無痛分娩やフリースタイル分娩など出産方法が選べる施設もあります。

1度帝王切開をしていても次は経膣分娩にトライできる施設もあり、出産方法は多種多様です。

それぞれのメリットやリスクを理解した上で自分が希望する出産方法が可能な施設を探しましょう。

出産費用

出産費用は住んでいる地域や施設によって大きく差が出る場合があります。

出産費用の平均は約48.2万円ほど(参考:公益財団法人　生命保険文化センターHP)と言われていますが、これは室料差額などを差し引いた額であり、実際はさらに色々な費用が加算されます。

出産一時金の50万円以内で収まる施設もあれば数十万円の手出しが必要になる施設も。

費用が比較的安い所では一時金だけで賄える場合もあります。

出産方法や入院日数、母子の処置の内容によってさらに金額が上がることもあります。

出産費用をなるべく安く抑えたいという人は事前に施設に出産費用について確認をしておきましょう。

費用のことを聞くなんて嫌がられないかと心配になるかもしれませんが、産婦人科のスタッフは費用について聞かれるのは慣れているので安心して聞いてみてくださいね。

母子同室と授乳スタイル

産後は疲れや会陰切開の傷の痛みで眠れないこともしばしば。

それでも赤ちゃんのお世話は待ってくれません。

母子同室なのか、完全母乳かあるいは混合育児なのかによってママの疲労度も変わってきます。出産予定の産院どういった授乳方針なのかを確認しておきましょう。

産院の中には「赤ちゃんに優しい病院：BFH」という母乳育児推進を掲げている施設もあり、その場合は産後すぐからの母子同室となります。

母乳が出ていなくてもミルクはあげずに母乳が出るまでひたすら授乳というスタイルなので、混合育児を希望している人や母子別室が希望の人には向かないかもしれません。

完全母乳を目指す人には、授乳のサポートが手厚くしっかり授乳指導をしてくれるのでオススメです。

産後に休みたくても休めなかった、授乳スタイルが自分とは合わなかったということがないように自分の希望する授乳スタイルと産院の方針のすり合わせをしておきましょう。

通院のしやすさ

通院のしやすさは妊婦健診の時にはもちろん、突然のトラブル発生時や出産時にもとても重要なポイントです。

妊婦健診は14回あり初期は4週間ごと、中期は２週間ごと、臨月になると1週間ごとに通う必要があります。

それ以外につわりで点滴に通ったり、妊娠中のトラブルで健診以外の受診が増えるケースも。

他の部分にこだわりすぎて家から遠い産院を選んでしまうと通院が大変になってしまいます。経産婦さんでは上の子を連れて行く場合も想定しておきましょう。

サービスの充実度

産婦人科といえば豪華な食事やエステのサービスなどをイメージする方も多いのではないでしょうか。

産院によってサービスの内容や充実度は様々で、1歳のお誕生日にお祝いのプレゼントを贈ってくれる産院もあります。

個室がホテルのように広々としてアメニティが充実していたりと、本当にホテルのような産院も。

産後のママへのご褒美としてこだわりたいところですね。

一番大事なのは信頼できる産院を選ぶこと

一生に数回しかない出産。いいお産だった！と思えるような思い出にしたいですよね。

もちろん出産に関わる費用やサービスは大切ですし、そもそも選択肢が限られている人もいるでしょう。

ですがどれだけ自分の条件に合った産院でも、医師や助産師との相性が合わなかったり少しでも不信感を持つのであれば別の産院を検討してみるのも良いかもしれません。

出産は母も子も命懸けです。

「やっぱり別の産院にしておけばよかった…」と後悔しないためにも、ママが信頼できる産院に出会えると良いですね。